menu

教室紹介

薬理学は、薬力学や薬物動態学などを用いて疾患の治療や予防を追求し、薬物と生体の相互反応を解明し薬物治療を発展させる学問であり、医学と薬学が重なる領域を担当します。

基礎薬理学では、薬が何をするか知るだけでなく、作用するメカニズムを深く考える力を養うことが重要です。生化学、生理学、病理学や解剖学、免疫学および感染症学のみならず、現在は遺伝子解析や生体分子化学を含めた分子生物学の知識や理解を必要とします。

薬物治療を学ぶ臨床薬理学は薬の知識のみならず、薬理作用および副作用を自ら理解・評価することによって、優れた薬の使用を医療現場で実践し新たな治療戦略に結びつける学問です。

また医学部における薬理学教育では、臨床現場での薬物治療の動向をリアルタイムに反映し、医療レギュラトリーサイエンス学を踏まえて医薬品を適切に処方する臨床医の養成も重要であると考えています。

当教室が特に注力している疾病に「がん」と「生活習慣病」があります。この2つはいずれも現代社会が克服すべき難題であり、医学の現場では日進月歩で新たな知見が得られている一方それに基づく治療戦略は複雑化しています。私たちは、特にこれらの分野での基礎研究に熱意をもって取り組み、その成果を臨床現場における薬物療法にも応用できる研究者・医療従事者の育成を目指しています。

2021年10月
教授 楳村敦詩 Atsushi Umemura, M.D., Ph.D.